白金高輪 コート・ドール

2015.03.01 Sun Eating place, 白金高輪

cote dor_20150228_01三田にあるコートドールで御食事しました。創業は1986年、老舗のフレンチレストランです。
場所は、白金高輪駅から麻布十番方面へ歩き、首都高が上を走る手前の道を川沿いに曲がります。
再び麻布十番方面へ歩き、昭和の高級マンション三田ハウス内1階にあります。駅からは徒歩5分程度です。
415号線を1本入っただけですが、とても静かで都内に居ることを忘れてしまうような静けさでした。

cote dor_20150228_13マンションの1階にフレンチレストランとは、少々分かり辛い場所にありますが、
住民になったような妄想を勝手にして、よい気分で御食事できました。

cote dor_20150228_02お店の窓から見えるランドスケープは、日本庭園を思わせるつくりで、路面店ではつくれない静けさ。

cote dor_20150228_0334席、落ち着きのある店内。客層は年齢が高めで、品よい落ち着いた雰囲気でした。
※カメラ撮影はOKですが、シャッター音、フラッシュはNGです。

メニューは、コースがランチ5,000円、ディナー15,000円。
共にアラカルトでの提供もあります。
ワイン、ビール、ガス入りのお水、何れも800円と良心的な価格でした。

本日はランチコース5,000円にしました。メイン料理は、魚か肉、何れかの選択になります。

cote dor_20150228_12アミューズ
削ったグリエールチーズを生クリームと白ワインで伸ばし、バゲットの上に載せ、
桜エビをトッピングし、焼いたもの。手でつまんでいただきました。香ばしくて美味しかった。

cote dor_20150228_11豚足とキノコの包み焼き
2皿目からガツンときましたので、この時点で既に満足感がありました。

cote dor_20150228_10外はパートフィロで包まれており、クリスピー感があります。中は、食感残る豚足とキノコ。
餃子のような美味しさ。
下に盛り付けられている葉野菜は、ほんのりと酸味が効いて、お肉の旨味とのバランスがよかった。

cote dor_20150228_08恵比寿のジョアンで毎日焼いて貰っているというバゲット。白い部分は柔らかく、お食事に合う味だった。
毎日ギャルソンが恵比寿まで取りにいくそうです。パンにはバターをつけて。

cote dor_20150228_09メイン料理のお肉かお魚かの選択は、ギャルソンのプレゼンテーションに惹かれて、お肉を選択しました。
今日は、岩手県の亜麻豚のロースト、魚料理はスズキでした。

亜麻豚の名前の由来は、
必須脂肪酸オメガ3が豊富に含まれる亜麻(エゴマ)と海藻を配合した飼料を食べていることから。
放牧に近い状態でストレスなく過ごし、豊かな自然環境でたくましく育ちますから、
脂肪が良質で、肉質しっかりと歯応えがあり、噛みしめるごとに、甘味、旨味が口の中に広がります。

cote dor_20150228_07なかなかのボリューム。驚くのはその肉の味。ピースによって風味が違うのです。
背中とモモの部位。それぞれを一皿で楽しめるようになっています。

ソースは、切干大根をフォンドボーで炊き、シェリー酒で酸味を効かせています。
お肉だけで味わう、其々の部位を楽しむ。そこにソースを添えて味わう。
酸味、甘味、塩味、旨味、バラエティーに富んだ味わいで、楽しかった。

こういうお料理は家ではできない、プロの味です。外食の醍醐味です。
斉須シェフは、味を表現するときに、先ず酸味から出るようにしているそうです。
それは、酸味から入らないと味が伝わらないため。(例えば強い塩気が先にくると、味が留まってしまう)
なるほど。

cote dor_20150228_06口直しのシャーベットは、静岡県の自生のキュウイフルーツ。
みかん畑の下に、2センチぐらいの小さなキュウイフルーツが生えているとか。
酸っぱい想像をしていたが甘い。ゴールデンキュウイフルーツの様なパッションフルーツに近い甘味。

cote dor_20150228_05デザートは、ココナッツのブランマンジェ。
杏仁豆腐に似ているが、後味は微かなココナッツの風味が残る。シェリー酒が入っている。
2皿目の豚足とキノコの包み焼きといい、中華を思わせるようなさっぱりとしたデザートだった。

それにしても、気持ちのよいぐらい清い、色気のない一皿がなんとも斬新に感じた。
真っ白なボウル皿に、白いブランマンジェ。

このときのスプーンのセッティングがなぜか斜めになっていることが気になりギャルソンに尋ねると、
その方が食べ易いかなと思い、斜めにしたとのこと。確かにそうだった。
細やかな気遣いをされていることに気が付き、ハッとさせられた。
数人いらしたギャルソンは、みなさん安定感があり、すばらしく心地の良いサービスをして下さったことも
料理と共にコートドールの印象に残った。

cote dor_20150228_04食後の飲み物は、コーヒー、紅茶、エスプレッソ、ハーブティから選びます。
ハーブティーはオレンジペコでした。
飲み物と一緒にいただいた小さなお菓子は、出来立ての生チョコ、コーヒーマカロン、フィナンシェ。
食べた感想を好みの順番で並べました。

コートドールのお料理は、バター、ソースがコテコテのフレンチではなく、
日本人に合う、さっぱりとしたフランス料理でした。
素材を活かした優しい味わいで、流行りの影響もなく、落ち着いた安定感が和みました。
ランチ5,000円は大変リーズナブルだと思います。よいお店でした。

斉須シェフの著書に、「十皿の料理」、「調理場という戦場」などがあります。
写真と本でより拝見したことはありませんが、仕事場である調理場の清潔感は天下一品であることが有名な話で、
やはり一流の仕事人は、道具を大切に扱い、綺麗にきちんと整えていらっしゃる。大変勉強になります。

●店名:コート・ドール
●住所:東京都港区三田5-2-18 三田ハウス 1F
●電話:03-3455-5145
●営業時間:ランチ12:00~13:00(L.O) ディナー18:00~20:30(L.O)
●定休日:月曜・第2火曜・夏期休暇(8月中旬頃)、年末年始