弘明寺 丿貫(へちかん)

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先日、ラーメンマニアの方から「絶対に行ってみて!」とおすすめされたラーメン店「丿貫」へ行ってきました。ラーメンにはジャンルがありますが、丿貫はどのジャンルにも属さないラーメンとのこと。実際に試して、おっしゃっていた意味がよく分かりました。確かに、丿貫のラーメンは、ジャンルでは表せない、言うならば創作ラーメンです。
丿貫は昼はラーメン店、夜は日本酒専門店として営業しています。メインは煮干出汁の煮干蕎麦。それ以外は、毎日限定メニューを提供しており、日々メニューが変わります。夜の部は、「とりえず」というネーミングの一皿を頼んで、一杯ひっかけるのが通な食べ方。その後、つまみを。最後は、肉ののらないかけのラーメンで〆るという、非常に興味をそそる変わったラーメン店。いつか夜の部もお邪魔したい。

弘明寺丿貫、ここは実は2号店で、1号店は関内の福富町にあります。店主は元々本業が別にあり、趣味のつもりで野毛のバーなどを2軒間借りして週に2日やっていたそうですが、お客さんが並んで周囲に迷惑が掛かる状況になり、転職を決めて、店を出したんだそう。福富町のお店は、かなりドープな風俗店がひしめく細い路地にあり、もともとスナックだった店舗を改装。看板も出ていませんし暖簾には何も書かれていません。現在は1時間程並ぶ行列店らしい。

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昼の部は14:30L.Oで、14時に到着。ウェイティングは5名程。比較的回転は早いので、10分程で入れました。こちらが本日のメニュー。ご飯ものは既に完売。煮干蕎麦以外、メニューは日々変わるので、ツイッターでお知らせしています。席はカウンター11席。席に着いてから注文を取るスタイルですが、提供までの時間は非常に早く待ち時間は気にならない。

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煮干蕎麦800円に+100円でうずらの卵をつけました。このうずらの卵、なるほどと思いました。普通サイズの卵だと味を染み込ませるのに早くても半日〜1日掛かりますが、うずらの卵ならもっと早く漬かりますね。具はスライサーでカットされた低温調理レアチャーシューと玉ねぎ。このチャーシューはチャーシューというよりもロースハムに近いかな。提供する前に都度スライサーで薄く切ってくれる点もやっぱりハムのような扱い。味付けはそれほど強くなく、美味しい。次は肉増しにしたい。粗目に刻んだ玉ねぎも、よいアクセントになっています。
このスープはかなり濃厚。味はかなりしっかり目。煮干しは1種類ではなく、アジ、アゴ、サンマなど複数使い、味に深みを出しているんだそう。

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麺は、低加水の細麺。長浜ラーメン、博多ラーメンよりはやや太さがある、サックリとした食感。濃厚な旨味スープが麺によく絡む、というよりも、麺がスープをよく吸ってくれて麺とスープがよくマッチしている。

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続いて、本日の限定メニューより、渡蟹蕎麦900円。丿貫は、甲殻類(エビ・カニ)を使ったメニューのバリエーションが豊富。煮干同様に、旨味が強烈。蟹の旨味が口いっぱいに広がる。味がしっかりしているので割がほしい気もするけど、カウンターには割も調味料もなし。スープは飲むのではなくて、あくまでも、この麺と絡めていただくというスタイルなのでしょう。色々評論家ぶったことを言いたくなったけれど、総合的に、よい意味で印象深いラーメンでした。

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お腹の具合をみて、まだいけそうだったので、黒酢の和え玉200円を注文。だいたいのお客さんがラーメンと一緒に和え玉を頼んでいました。和え玉とは、替え玉ではなくて、油そばのように味の付いた汁なし蕎麦のことで、丿貫では三段階の楽しみ方があります。①よく混ぜてそのまま食べる②残していたスープでつけ麺のように食べる③残ったスープに投入して味変させて食べる。②と③に於いては、煮干と蟹で試しましたが、煮干とベストマッチ。

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この和え玉、単体でも完成された一皿で、これだけでも美味しい。汁なしの和え玉は麺の食感が一層際立ちます。色々試してみたくなりました。
かなり濃厚だったので、店を出た後に喉が乾くかなと思いましたが、大丈夫でした。胃もたれもおこらず。不思議とまた食べたいなと思わせるラーメン。次は是非海老蕎麦に出会いたい。

■店名:弘明寺丿貫
■住所:神奈川県横浜市南区通町4-111
■営業時間:昼の部 【ラーメン店】11:00〜15:00(14:00L.O)  夜の部【日本酒専門店】18:00〜22:30(22:00L.O.)
■定休日:日曜