鎌倉 なると屋+典座

2015.10.29 Thu  鎌倉

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JR鎌倉駅から小町通りを入り直ぐ左型にある寿ビルの2階、
鎌倉で採れた新鮮な旬野菜が楽しめる「なると屋+典座」を訪問しました。

店名の典座(てんぞ)とは、お寺の台所を預かるお坊さんのことです。
野菜に感謝し、無駄なく、美味しく調理する。禅宗ではそれも修行のひとつ。
世の中の典座になり、人々に野菜を食べて元気になっていただきたいという想いが
店名に込められています。
オープンは2004年。昨年で10周年を迎えました。

訪問したのは、よく晴れた日曜の午後12時。
鎌倉駅周辺が観光客で賑わっていたこともあり、外には行列ができていました。
店内も満席です。事前に予約しておいて正解でした。

カウンターとテーブル席。シックで落ち着いた雰囲気の店内です。
メニューは、月替わりで3種類のみ。

●葛とじうどん 800円
●うどん+惣菜3品 1,500円
●月のごはん 1,500円
○寒天の和三盆のデザート 500円

看板メニューの「10月のごはん」をオーダーしました。

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先:胡麻豆腐
飯:舞茸、揚げ
汁:冬瓜、かぼす
鉢:さつまいも、エリンギ茸
小鉢:小松菜、蓮根

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飯ものと汁もの、季節の小鉢が3品。
一品一品、素材の旨みを存分に引出し、精進の出汁でつくられたとは思えない美味しさです。
塩気による味の濃さではなく、旨みにより濃い味付け。丁寧につくられた御膳ですね。

野菜は、味も香りも個性豊か。
旬の野菜を飯、汁、鉢の器の中で、旨味、甘み、苦味、塩味、酸味を組み合わせる。
一汁一菜には豊かなに食べる知恵があります。

別の季節に、また訪問したいと思います。元気をいただきました。

店名:なると屋+典座 (なるとや ぷらす てんぞ)
住所:神奈川県鎌倉市小町1-6-12 寿ビル  2F
電話番号:0467-23-7666
営業時間:11:30~15:00 (L.O. 14:30) 18:00~21:00 (L.O. 20:30)
定休日:火曜日、第2、4水曜日

北鎌倉 笹の葉

2015.08.10 Mon  北鎌倉

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JR北鎌倉駅西口改札を出て、右へ曲がり2つ目を右に入ったところに、
自然食料理・精進料理 笹の葉があります。駅から徒歩2分程。駅近く、静かに佇む一軒家のお店です。
友人が以前勤めていたことがあり教えて貰ったお店で、今回が2度目の訪問です。

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店内は、靴を抜いて上がります。
テーブル席と奥が座席。窓から笹の葉が覗きます。

お料理は、基本精進(植物性のみ)で、魚がついている御膳もあります。
自然食を玄米ご飯と一緒にいただきます。

本日は、季節限定の玄米菜食膳 2,200円を注文しました。

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煮物
胡麻豆腐
豆腐と蓮根の鰻もどき
温野菜
枝豆としゅんさいの寒天寄寄せ
トウモロコシの冷製スープ
人参とししとうの揚げ物
玄米ごはん・味噌汁・漬物
デザート(苦瓜のゼリー・葡萄のジュレ)

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味噌汁は精進のお出汁でとっています。
どれもお出汁がきいて、味気ない感じは全くありません。

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手前が鰻もどきです。
山芋からつくられています。鰻の皮は香ばく焼いた海苔で代用。

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食後に玄米コーヒーをいただきました。カフェインレスでさっぱりとした味です。
北鎌倉で身体に良い昼食ができるお店です。

住所:神奈川県鎌倉市山ノ内499
電話:0467-23-2068
営業時間:11:30~16:00(食材がなくなり次第終了)
定休日:第3月曜日(5、6月無休)
HP:http://www.jin.ne.jp/sasanoha/index.html

鶴見 曹洞宗大本山總持寺

2015.05.24 Sun  鶴見

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曹洞宗大本山總持で精進料理をいただきました。
場所は、JR鶴見駅西口より南へ線路沿いを10分程歩いたところにあります。
約10万坪の境内には、様々なお堂が建てられており、石原裕次郎さんが眠っているお寺としても有名です。

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今日はいただき方、片付方のお作法を学びました。
先ず、飯椀の蓋を開け、右に置きます。
汁椀の蓋を開け、飯椀の蓋の上に合わせるようにして置きます。
お箸を箸袋から出し、汁椀の上に箸の持ち手を上にして、10時20分の角度に置きます。
(いただくときに、お箸がスムーズに取り易い位置であるため)

いただく前に、五観の偈(ごかんのげ)を唱えます。

一 計功多少 量彼来処 : 功の多少を計り彼(か)の来処(らいしょ)を量(はか)る。
二 忖己德行 全缺應供 : 己が徳行(とくぎょう)の全欠を[と]忖(はか)って供(く)に応ず。
三 防心離過 貪等為宗 : 心を防ぎ過(とが)を離るることは貪等(とんとう)を宗(しゅう)とす。
四 正事良薬 為療形枯 : 正に良薬を事とすることは形枯(ぎょうこ)を療(りょう)ぜんが為なり。
五 為成道業 因受此食 : 成道(じょうどう)の為の故に今この食(じき)を受く。

(略訳)
一、この食事がどうしてできたかを考え、食事が調うまでの多くの人々の働きに感謝をいたします。
二、自分の行いが、この食を頂くに価するものであるかどうか反省します。
三、心を正しく保ち、あやまった行いを避けるために、貪など三つの過ちを持たないことを誓います。
四、食とは良薬なのであり、身体をやしない、正しい健康を得るために頂くのです。
五、今この食事を頂くのは、己の道を成し遂げるためです。

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本日のお品書き
平椀: 雁擬き、白滝、椎茸、人参、麩の煮〆
膳皿: 葡萄寒天、生麩、揚げ車麩
中皿: 白滝、蕨、油揚げ煮物
小皿: 金平牛蒡
坪椀: 胡桃豆腐 味噌あん
坪椀: もずくの酢の物
香皿: 香の物
汁椀: 味噌汁(わかめ、麩)
飯椀: 白飯

最後、漬物で飯椀を掃除するため、漬物は1枚残しておきます。

いただく前に、五観の偈を唱えたのもあってか、ゆっくりと噛み締めていただきました。
味気無さなどは全く無く、精進のお出汁がよくきいていて、旨味がたっぷりと美味しいお味です。

片付のお作法。
残したものがあれば、酢の物が入った坪椀に入れます。
飯椀にお茶(ほうじ茶)を注ぎ、とっておいた漬物を1枚入れ、
お箸を使って器の側面を漬物で撫でながらご飯の滑りを取ります。
次に、飯椀の汁を汁椀に移し、汁椀を綺麗にしてお茶を飲みます。

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胡桃豆腐が入った坪椀に酢の物が入った坪椀を重ねます。
飯椀、香皿、汁椀、平椀、小皿、中皿の順に重ねます。
膳皿を左に寄せます。
膳の外に置いておいた飯椀と汁椀の蓋を真ん中に置きます。

最後に、 普回向(ふえこう)を唱えて終わります。

願わくは此の功徳を以て、普く一切に及ぼし、我等と衆生と、皆共に仏道を成ぜんことを。
(略訳)
幸せを独り占めせず、あの人にもこの人にも、と幸せを配ってともに人間の歩むべき道、
すなわち仏道を成就したい、と誓願を発する。

多過ぎず、欲を出さずに、感謝していただくこと。
当たり前のことを改めて思い返した良い食事でした。

●曹洞宗大本山總持寺
●住所:横浜市鶴見区鶴見2-1-1
●電話:045-581-6021 総受付