仕込味噌

2014.02.16 Sun  

大寒(1月20日~2月3日)一年で最も寒さが厳しい頃。
この時期は寒気を利用した食べ物を仕込む時期です。
寒の内の間に汲んだ水のことを「寒の水」といいます。
この時期の水は、雑菌が少なく身体にもよいとされてきました。
また、長期保存に向いているとされ「寒の水」でつくった味噌、醤油、酒は腐らないといわれています。
今日は味噌づくりです。

(材料)作り易い目安分量仕上がり2㎏分
糀  500g
大豆 500g
塩  230~250g

(本日の材料について)
糀は、創業1818年(文政元)の老舗、横浜市瀬谷区川口糀店の糀

本日は「糀」を使用します。
こうじを表す漢字には「糀」と「麹」があります。
こうじは、米、麦、大豆などの穀類でつくりますが、これらのこうじ全般を表す漢字として、
主に「麹」が使われています。これは中国から伝わった漢字です。

「糀」は、こうじ菌が蒸し米に花が咲いたように繁殖することから、
明治時代にできた国字(和製漢字)で、米糀のみを表します。
米を中心にした食文化を大切にしてきた日本人ならではの表現です。

大豆は、相模原市津久井島村農園の肥料も農薬も使わないで栽培された「津久井在来大豆」を使用。
甘味が強く、後味がさっぱりしており、特に、味噌、醤油、納豆などの加工に適している品種。

塩は、「にちえんそると天日白撰塩 粉砕タイプ」
雑味のない天日のものを使いましょう。

(作り方)
準備:保存容器はよく洗い、しっかり水気をふき取った後、酒をふり掛け消毒しておく。

1.生の大豆を手の平で擦り合わせるようにして、よく洗う。
2.たっぷり充分な水に一晩浸けてふやかす。
3.大豆は水を切り、鍋に移してたっぷり水を入れ火に掛ける。
煮ている最中に浮いてきた皮やアクを取り除きながら、途中煮汁が少なくなってきたら水を足し煮上げる。
目安としては芯がなくなる程度。圧力鍋なら30~40分、手鍋なら3~4時間。

4.糀と塩を混ぜ、塩きり糀をつくる。(「3」の間に行う)
5.煮上がった大豆を穴あきお玉ですくい、温かいうちに大豆を潰す。(煮汁は固さ調節に使うので取っておく)
6.「4」と「5」を均等に混ぜ合わせる。水分が足らない場合は煮汁を入れ固さを調節する。
※糀を混ぜる際は60度以上の熱にさらさないこと。
潰しているうちに大豆の温度は下がるが、熱い場合は、ひと肌程度に冷ましてから混ぜ合わせる。

7.味噌玉をつくり、容器に隙間なく、丁寧に強くプレスしながら詰める。
空気が入った部分にはカビが生えるので、保管容器へ移す際は味噌内部に空気が残らないよう、
保管容器底へ味噌玉を打ちつける要領。

8.全量を保管容器に入れ、容器内側を綺麗にふき取り、表面を平らにしラップを貼り、蓋をする。
※塩蓋はしないので、甘く大豆の味と香りが残る味噌に仕上がる。

9.半年~1年保管し、発酵させる。(盛夏を越した味噌は良く発酵して美味しくなる)

(保管容器)
○味噌樽、味噌がめは、都心の集合住宅では保管、管理が難しく白カビが発生する率が高い。
○プラ容器、ホーローだと比較的失敗が少ない。

(味噌の保管)
○室内常温で日の当たらない涼しい場所で保管
熟成は早いがカビが多めにつく。茶色が濃い仕上がり。

○冷蔵庫の野菜室で保管(低温熟成)
熟成にやや時間を要する。カビの心配が少ない。薄茶色に仕上がる。

(発酵期間)
目安は半年~1年、好みの頃合いで。発酵期間が短いと大豆色に近く、長いと赤黒くなり旨味を増す。

(食べはじめ)
味噌の表面約1㎝程度の変色部(味噌蓋)を取り除く
完熟後は小分けにして冷蔵保存、更に熟成させたい場合は常温で保存

味噌1みんなで混ぜる。
混ぜるパートが一番楽しい。ここは子供たちに任せて、飽きたら大人の出番。
味噌玉泥団子つくる要領で、味噌団子をつくる。
完成仕込みが完成した味噌。一年間眠りにつきます。
美味しくなって、また来年会いましょう、おやすみなさい。
1年熟成これは、一年間室内常温保管した味噌。
味はまだ若い。
4年熟成こちらは、4年間室内常温保管した味噌。
醤油を想わせる旨味が凝縮された味噌。
呉汁昼食の野菜たっぷり具たくさんの呉汁と卯の花。
卯の花は、少量の醤油とみりんで味付けしたシンプルなもの。
大豆が美味しので、絶品。

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