仕事はじめ

2015.01.05 Mon  

marunouchi_20150105
「新年仕事始めの日は、きちんとした正装で。着物で行きなさい」
そう母から教わった。

昔は、新年になって最初の出社で着物を着ていく風習がありました。
今ではほとんど見掛けなくなりましたが、昭和後期まで、それが一般的だったようです。

社会人1年目の新年仕事始めの日、
そういうものだっと思って、私は着物で出社しました。

会社に着くと、皆、普段とかわらずスーツです。
着物を着ている人は誰1人も居ません。

「しまった。1人だけ場違いな格好をしてきてしまった」と、
内心、あのときは少し不安になりましたが、

「お正月らしくてやっぱりいいね。職場が華やかになるね」
「昔は、仕事始めは着物だったね」と言葉をいただいて安心しました。

以来、仕事始めの日は、着物で出社するスタイルが定着しました。

今年も着物で出社し、お得意先へ挨拶まわりをしました。

この風習はなくしてはならないと、そんな勝手な使命感を抱いて、
絶やさぬよう続けてゆきたいと思っています。

さて、
挨拶まわりの最後に、社会人1年目よりお世話になった会社へ伺いました。

懐かしい顔にお目に掛かり、
「今日はきっとお着物だと思いましたよ」
「お正月の着物スタイルは変わらず続けているんですね」

そうやって、みなさんの記憶に残っていたこと、
風習を絶やさないこと、続けることに意味があるのだと思いました。

会社がある丸の内仲通り。
丸の内OLと聞くと、大変華やかなイメージを持ちますが、
そこで働く方々は大変気さくで、壁の無い人たちでした。

「変わらないね」
「変わりませんね」と会話を交わし、

わたしは、変わることは大切。
でも、
変わらないことも大切。そんなことを思いました。

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