養生館 はるのひかり
一度訪れてみたかった「静養館はるのひかり」に宿泊しました。箱根湯本駅からは徒歩15分のところにありアクセスは然程悪くないと思います。「温泉と食での静養」がコンセプトのはるのひかりでは、一泊で慌ただしく帰るのではなく、連泊して、せめて一日は何にもしない日を味わってほしいとの思いで、連泊を推奨しています。連泊すると、四日目が無料です。一泊でも利用可能とのこと、今回は一晩だけお世話になりました。
茅葺屋根の母屋がロビー。こちらで受付を済ませます。チェックインは15時からで夕食は18時から。少しでも宿でゆっくり時間を過ごしたいと15時過ぎに到着しました。
かつてこの場所は、財界人のあいだで数寄茶の趣味が広がった大正初期に、旧三井財閥の三井合名で理事などを務めた重鎮の一人、有賀長文氏が広大な茶庭に茶室を配した別邸として建造された場所の一部で、温泉宿としては昭和21年開業。今も残る茶室一棟から始まりました。その後は棟を増やし建て増しし、現在に至ります。
母屋を抜け、奥にある4階建ての建物へ。通路を歩いているとほのかに白檀のよい香りがします。館内にエレベーターは無く階段移動となりますがそんなに苦には感じませんでした。3階の書斎付き和洋室「明星」へ。二人で泊まるには十分過ぎる50平米ほどの広々したお部屋です。
籐の椅子に座って、ぼーっと窓から景色を眺めるのは最高でした。
お部屋に小さな書斎付きです。もしも小説家だったら、数週間ここにこもって作業して、、、と妄想。そういうのにはもってこいの空間です。凄く集中できそうです。
シンプルでミニマルな大浴場。熱湯からぬる湯まで3段階の温泉が楽しめます。お湯に浸かっていると心も解けてくるからでしょうか、お風呂で出会った方とついつい話がはずんでしまいます。このような場所を好んで来るのですから盛り上がる話題は健康についてです。静養館は女性のお一人様利用も多いそうです。脱衣所にはお風呂の中で読める本も置いてありました。
お待ちかねの夕食。お食事は玄米と野菜の健康食。量が少ないようにも思いましたが、よく咀嚼してゆっくり頂き、十分お腹いっぱいになりました。旅行ではついつい食べ過ぎてしまいがちですが、静養館ならばセーブできます。夕食はなんと500Kcal未満。
煮込み、汁物、揚げ物、本日のお献立には、大根がふんだんに使われていたように思います。
デザートはゆず寒天。お腹いっぱいになりましたが、満腹ではちきれそうな苦しさや胃が重くもたれる感じは無く、心も身体も満足のいく食事でした。ご馳走様でした。
二日目の朝。雨が上がりました。 6時過ぎに目が覚め、昨日ならやあんで購入した絵葉書に旅の思い出をしたためたり、ヨガをしたり、温泉に浸かったりして、充実した朝の時間を過ごしました。
朝食は8時半から。野菜中心の健康的な食事にイワシの干物が付きました。朝食はなんとなんと370Kcal以下!!
昨晩の夕食に大根がたくさん使われていましたが、朝食には大根の葉が使われていました。食材を無駄なく丸ごと頂くという「一物全体」の考えと、地の物、旬の物をいただくという「身土不二」の考え、身体を冷やす作用がある大豆料理には、身体を温める作用がある生姜を加えるなど、「陰陽調和」を考えたお献立でした。そして、五味(塩っぱい、酸っぱい、甘い、辛い、苦い)や調理方法(煮る、揚げる、和える、生のまま)の工夫が成されているので、飽きずに、気持ちも満たされる内容でした。
10時半チェックアウト。バジェットは13,800円。時間と懐が許せば、2泊、いや4日滞在したいところでした。
養生館はるのひかり
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