野毛 ちぐさ closing party at Hana*Hana
2007年に73年の歴史に幕を下ろした横浜・野毛の老舗ジャズ喫茶「ちぐさ」が
Hana*Hanaに10日間限定で復元された。
「ちぐさ」は昭和8年(1933年)に開店した日本最古と云われるジャズ喫茶
1994年オーナーの吉田衛氏が亡くなり、常連客などが営業を続けたが、
周辺の開発計画、後続者がなく2007年1月31日に閉店した。
その後吉田氏の資料は横浜市中央図書館に預けられたが、
今年3月末に保管期限を迎え、この度「野毛地区街づくり会」へ寄贈され、「ちぐさアーカイーブプロジェクト」が発足。
プロジェクトは、これらを生かし、「ちぐさ」を野毛地区の文化資源として、次世代に繋げていくこと。
5,000枚のレコード。
当時では珍しいTechnicsのターンテーブル。
ONKYOのアンプ。
当時ONKYOに勤めていた常連客が、部品代だけで作ったもの。
おやじさんは、『人生、お金じゃない』とよく口にしていたそう。
機材にお金はかけない。
人の御縁を大事にする。
CHIGUSAの刻印。
コーヒーを飲みながら、音楽に聴き入る。
スピーカーは木製、JBL
当時のメニューそのまま。
店内、お酒はNG。
酒と煙草を片手にジャズを聴くのはお洒落を気取れるが、
『ジャズは酔って聴くようなもんじゃない』
『酔って聞く等、音楽に失礼』というおやじさんの遺言
壁に飾られたレコードのジャケットには番号が付いており、
聴きたいレコードの番号をお願いしてリクエストすることができる。
これで、いちいちタイトルを読み上げる必要がない。
当時は黄色染みができた紙にレコードを保管していたが、
この日を迎えるため、常連客の手で夜な夜な本来のジャケットに入れなおした。
DJはちぐさ会のメンバー安藤さん。
『タイムスリップしたみたいだよ』と常連客が音楽談義に花を咲かせる。
『好きな音楽が流れて、楽しいと思う。其々の主観で。音楽ってそういうものじゃないか。
だから、評論家みたいに、誰の曲なのか、何年の曲なのかとか、語る必要などない。音楽は聴くものだろう』
再現された「ちぐさ」は暫くの間、ここHana*Hanaに残しておき、
今後は何ヶ月かに一度、好きなレコードを聴いたりする会の開催を検討中とのこと。
是非開催してほしい。