久原本家 茅乃舎(かやのや)

2015.10.16 Fri  

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兼ねてより伺ってみたかった、久原本家 自然食レストラン茅乃舎(かやのや)を訪問しました。
都心の商業施設などにも近年出店が増えた茅乃舎ですが、
この茅乃舎の主力商品である茅乃舎だしは、自然食レストラン「茅乃舎」から生まれました。
レストランで食事をしたお客さんから、料理に使われているだしや調味料の作り方を尋ねられ、
ご家庭でもお店に近い味が表現できるよう使い易い形にしたのが「茅乃舎シリーズ」の商品です。

茅乃舎は、創業明治26年。
福岡県久原村(現:久山町)に開いた醤油蔵から始まりました。
醤油醸造の技術を生かし、つゆ、たれ、スープなど様々な調味料の製造に携わってきました。
自社で農業や昔ながらの食品づくりに取り組むようになり、
平成17年、茅葺屋根を有する自然食レストラン「茅乃舎」がオープン。今年で10周年目を迎えます。

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立派な茅葺屋根の建物は、もともとあった醤油蔵を改装したのではなく、
創業者がこの山里の土地を気に入り、レストランとして建てたそうです。
当時の従業員は全員で、こんな山里にレストランを開くことには猛反対したそうですが、
創業者の強い想いで、この土地に開店し、今では、多くの人が遠くからわざわざ訪れる人気店になりました。
都心にも似たようなお店がありますが、このロケーションだからこそ表現できることがあります。
また、このロケーションだからこそ比較競争には巻き込まれないとも話していました。

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レストランの隣には、楽舎(離れ)があります。
こちらでは、無農薬有機栽培した珈琲豆を炭火で焙煎し、
ネル布を使ってクワイエットドリップ(珈琲の粉が踊らないよう静かに注ぐ手法)で、
薫り高い有機珈琲を提供しています。

レストランは完全予約制ではありませんが、予約しなければ入れないぐらい人気です。
現在、予約の電話もつながり難いようです。

入口の囲炉裏がある待合を抜けて、席へ案内されました。ダウンライトで落ち着く雰囲気です。
立派な梁で建てられています。

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メインダイニングは50席。個室は、テーブル席3席、和室2席あります。

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奥にあるのは釜です。通常は、〆のご飯はテーブル毎に土鍋で炊いてくれますが、
結婚式など、大勢で貸切の場合にこちらの釜が使用されるそうです。

料理はコースのみで、種~蕾まであります。価格は以下です。

種 3,780円(平日お昼限定)
芽 5,400円
葉 8,100円
蕾 10,800円

前菜盛り合わせ
大地の恵みスープ
季節の一品
料理長のお薦めの一品
メイン
ご飯(白米、または、十穀米より選択)
香の物・納豆汁(納豆なしの味噌汁もご用意しています)
デザート
※葉になると、天然魚のお造り、長野おばあちゃんの逸品がつきます。

特別な予約料理(3日前までに、2名以上で予約)もあります。

花 13,800円(季節の特別コース)
祝膳 16,200円(結納、還暦、記念日など)
水炊 8,640円

席についてすぐ、サプライズが用意されていました。
敷紙がゲストによって異なります。一人ひとりの名前を花文字にした敷紙です。これには心をくすぐられました。

この花文字は、店舗デザインを担当したデザイナーが創造したもので、
例えば「さ」は桜、「ま」は曼珠沙華という具合に、野花で構成されています。

楽しみを半減させない様、写真は載せないことにします。
是非、実際に足を運んで、この嬉しさを味わっていただきたいと思います。

少し話が逸れますが、都心出店に当たり新たにつくられたロゴは、水野学氏が手掛けたものです。
紺色のベタに白抜きのシンプルな丸マーク。
また、東京ミッドタウンの店舗内装は、水野学氏がディレクションしています。

車でないと辿り着けない場所ですから、お酒は飲めません。
数名で行って、誰か一人は運転手になることを覚悟してください。

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乾杯におススメのノンアルコールカクテル「茅乃舎特製季節のハーブスパークリング 820円」を注文しました。
季節の果実は、いちぢくとカボスの選択で、いちぢくを選びました。
エディブルフラワーをベースに旬の果実(いちぢく)が入っています。

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こちらは、茅乃舎手作りジンジャーエール 860円
ソーダとシロップが別々で提供されます。好みの濃さに調整できる点に関心しましたが、
最終的には全部入れました。

コースの内容は、月ごとに変わります。
本日は、長月の芽のコース 5,400円を予約していました。

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前菜
里芋豆腐・蓮芋と無花果の胡麻クリームかけ
白玉葱寿司・木の子のキッシュ・鱒の燻製
蓮根テリーヌ・雪嶺茸のフリット

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大地の恵みスープ
薩摩芋のスープ、身体が温まりました。

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ここから、薬味で味に変化を付けてお楽しみくださいと薬味がテーブルに置かれましたが、
結局最後まで使いませんでした。変化を楽しむ前に全て完食です。

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甘長辛子のセモリナ粉焼き
甘長唐辛子の中に博多地鶏のミンチを詰めたセモリナ粉焼き

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太刀魚の木の子真丈巻き
旬の木の子をペースト、太刀魚巻、春菊餡

メインは4種類から選択します。やごろう豚を選択しましたが、茅乃舎の看板料理はトマトすき焼きだそうです。
次は是非トマトすき焼きにしようと思います。

・十穀鍋
・黒豚(やごろうぶた)の実山椒焼き
・木の子の魚すき
・トマトすき焼き +1,940円

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やごろう豚は、マイロ(とうもろこしの一種)、麦類、米粉などをブレンドした飼料で育ち、
鹿児島の清潔な環境で育てられた生後8か月以内の豚で、オレイン酸を多く含み脂の旨味と甘みがあるのが特徴。

〆のご飯は、白米か十穀米(黒米、赤米、丸麦、押し麦、はと麦、きび、ひえ、あわ、発芽玄米、香り米)から選びます。
お店の方オススメは、白米。今朝、籾すりと精米した減農薬の嘉麻市のひのひかりを土鍋で炊いてくれます。

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納豆汁と糠漬け。
納豆が苦手な方は、味噌汁へ変更が可能です。

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艶やかなご飯の上に、卵と茅乃舎の醤油をほんの一滴たらしていただきました。
卵は、地元の養鶏場から調達しているそうですが、この卵かけ御飯は、格別でした。

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デザートは、バーククーヘン、薩摩芋のようかんと季節のフルーツ(梨、巨峰)

茅乃舎はだしというイメージが強いのですが、こちらのバームクーヘン、実は人気商品だそうです。
都心のショップでは見掛けません。素朴で優しい甘さのバームクーヘンでした。

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お料理や雰囲気は勿論素敵なのですが、働いている方々が「茅乃舎が好き」という気持ちが伝わってくるぐらい
生き生きしているのが印象的でした。
終盤は、ギターの生演奏をバックミュージックに食事をして贅沢なひとときを過ごしました。
期待値を上回る、とても素敵なお店でした。

●店名:久原本家 茅乃舎(かやのや)
●住所:福岡県粕屋郡久山マチ大字猪野字櫛屋395-1
●電話:092-976-2112
●営業時間:11:00~15:30(L.O13:30) 17:00~22:00(L.O20:30)
●定休日:毎週水曜日(祭日の場合はその翌日)
●アクセス:JR福北ゆたか線・篠栗駅からタクシーで15分/西鉄バス 猪野バス亭からタクシーで5分

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